2009-01-30

ベースがまだおかしい

修理に出していたベースをこないだ取りに行ってきた。背板の最下部のニカワが剥がれて板の間に隙間が出来ていた部分を一度開いて接着し直す修理だったのだけれど、この部分の修理は成功。多少音色のキャラクターが変わったけど、音量がアップして音が「長く」延びるようになった。最初に弾いた時はちょっと興奮したくらい。「音でけー!」

しかし、昨日ジャズボーカルクラスの伴奏をしている最中に問題は起こった。その時僕は、楽器の鳴りに慣れていくため、アンプの音量を絞り目にして強いタッチで楽器を弾いていた。その時は楽器が嬉々として歌っていると感じられるくらい、良く楽器が鳴って、楽しんで弾いていた。ところが、あるバラードの曲で開放のD線を気持ちよくバーンと弾こうとしたら、例の「ヴゥゥゥゥン」というノイズが激しく出るではないか!

「ありゃ、直ってなかったか」。クラスの休み時間に色々チェックしてみると、今回修理したのとは違うところからノイズが出ていることが分かった。確かに、背板の最下部の剥がれがノイズの原因だと思い込んできちんと細かいチェックはしなかったなぁ~。不覚。

というわけで「思い込みはダメ」と反省した。また修理持って行こう。しかしこの調子でちゃんと100%直ったら、この楽器すごくいい音がするはずだ。それを楽しみにしようっと!

2009-01-27

ドラムでメロディ: Yardbird Suite



一週間ほど前にサンノゼのダウンタウンにあるワインバー「A Perfect Finish」で演奏した時のライブから、チャーリー・パーカーの「ヤードバード組曲」をドラム・フィーチャーで。ちなみに組曲という名前がついてるけど普通の一つの曲です。まあこれは原曲のメロディを知っていないとちょっと分からないと思うけど、まず1コーラス分ドラムがテーマの「メロディ」を演奏します。その後にベースとピアノが加わる瞬間のところがうまい具合に「バーン」って感じにドラマチックにできたので「うっし、大成功」って感じでした。ドラムのジョンも僕と顔を見合わせて「おお、うまくいった」って感じで笑ってます。ちなみにドラムでメロディを取ろうというのはドラムのジョン自身のアイデアでした。こういうのも面白い!

2009-01-25

Satin Doll



ビデオをアップするのに手間取ってしまったけど、2週間ほど前のSumikaライブから。ヴォーカルの織田佳子さんとギターのマット外島さんはディオで長い間一緒に演奏活動されているので息もピッタリ。去年の秋には日本ツアーにも行かれて大成功された。僕も良く一緒に演奏させていただくので、こういう感じでドラムがなくてもいい感じでグルーヴが出せて気持ちがいい。

二人は実はサンノゼのジャズコミュニティを活性化させている重要な貢献者でもある。彼らが共同経営するスタジオ「Studio Pink House」では毎月ゲストアーティストを呼んでコンサートやジャズクリニックを行い、さらに毎月2回ジャムセッションをスポンサーとして開催している。僕が最近交流範囲が広がってきて音楽仲間が増えたのも、お二人のネットワークのおかげによるところが大きい。ヨッコさん、外島さん、いつもありがとうございます。

この「サテン・ドール」という曲は、僕が学生時代に在籍していたビッグバンドでも良く演奏したし、ジャムセッションでも良くコールされる曲。僕もとても好きな曲だ。今回は外島さんの粋なイントロの後、「AABA」形式のAメロの部分を2ビート、Bメロの部分を4ビートでやるという割とお約束のパターンでリラックスして演奏した。2コーラス目はヨッコさんのクールなスキャット。3コーラス目は外島さんのギターソロ。渋い。4コーラス目が僕のソロ。ちょっと陽気な感じにしてみました。最後にもう一度テーマのメロディを演奏、エンディングを少しエクステンドして終わり。コンパクトで聴きやすい感じの演奏だったと思います。
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織田佳子ウェブサイト: http://www.yoshiko-oda.com/
Studio Pink Houseのウェブサイト: http://www.studio-pinkhouse.com/

2009-01-24

久しぶりのベース修理

アメリカに来てから6年以上経つというのに、今までウッドベースを一度もメンテに出していなかった。このベースは15年くらい前に新品で買ったもので、板と板を張り合わせるニカワ(糊)がもともとゆるく作ってあった。板がなじむまで、無理に板に形を強制しないように、ということらしい。その代わり「マメにメンテに持っていってください」と製作者から言われていた。

僕は本当にこういうところがルーズなので、日本にいる時はまだ頑張って代々木や新大久保にあるベースショップに持っていっていたのだけど、アメリカに来てからはサッパリ。実はその間に背板の一番低い部分のニカワが剥がれ始めていたんだけど、ネットで探しても見つかるショップは車で40分くらいかかるところにしかない。といっても日本にいる頃の代々木や新大久保なんて、家から車で1時間以上かかっていたのに、ズボラに磨きがかかったかな。

こないだ、とあるカフェで演奏をしていた時、突然ベースが変なノイズを出すようになった。開放のD線(下から3番目の弦)を弾くと「ヴゥゥゥン」という濁った音がする。音を出しながらボディのあちこちを押さえてみて確認したら、背板の剥がれている部分がノイズを出しているらしい。「あ〜、ついに来たか」と思って「例のところに車で頑張っていくかなぁ」と考えていたら、一緒に演奏していたミュージシャンが「バイオリンショップをやっている友達がいるから、そこに持っていってみれば?」と言う。場所を聞いてみたら、ウィロウ・グレンというエリアで、家からも車で15分くらいだ。これなら気軽に持っていける。よっしゃ!

メールで問い合わせてみると、ベースの修理もやってくれそうだった。早速アポを取ってベースを持ち込む。色々と相談してもらって、背板の下部を一度剥がして接着し直し、ついでにそれが影響で歪みの来ている表板の下部も少し手を入れることになった。あとは15年間一度も手入れしていなかった指板を削って平らにするメンテもすることにした。

「この剥がれを接着したら、音色に締まりが出て音量も少し上がると思うよ」というリペアマンの言葉に期待。週末に取りに行くのが楽しみだ。

2009-01-21

「アレ」が欲しい

いい音楽が自分の中から出てくる時は「アレ」がある。

そういう時は、「自分がこの音楽を作り出している」

という感覚は、あまりなかったりする。

その「アレ」が音楽を作ってくれている感じ。



「アレ」は多分、音楽の神様が貸してくれるんだな。

でもまだ僕にはたまにしか貸してくれない。

やっと貸してくれたと思ったら、

調子の乗ってはしゃいでいると

すぐ取り上げられたりする。



超一流のアーティストを聴いていると、

「アレ」をいつも身に着けている気がする。

音楽の神様がくれたんだろうな。



くれとは言わないので、

借りたい時だけ貸してくれたらいいな。

あ〜、「アレ」が欲しい。


 

2009-01-18

There Is No Greater Love



毎週水曜日にサンノゼのホテル・デアンザのラウンジ「ヘドリー・クラブ」で行われるジャムセッションには、毎月一回ゲストアーティストを呼ぶ。今月はピアニストでありすばらしいジャズ教育者でもあるフランク・スマーレス。幸運なことに、そのミニコンサートで一緒にベースを弾かせてもらうことになった。

これはその1曲目に演奏した曲。大変良く演奏されるスタンダード曲で、多分僕の中でも一番演奏した回数の多い10曲に入るんじゃないかと思う。フランクとは一度も一緒に演奏をしたことがなかったしリハーサルもしていないから、この曲がまさに初めて合わせた瞬間。でもごらんの通り、フランクの超強力なグルーヴのおかげで一瞬にしてバンドが一体になった。ドラムのデービッドの品の良いカラフルなスイングも良かった。

実は、このとき僕は結構緊張していた。というのも、本来予定していた時間よりも遅く会場に着いてしまって、レコーディングやビデオ撮影の機材のセッティングをしていたらフランクの持ってきた譜面に目を通す時間がなかったからだ。(実は、ベースのチューニングすらしていなかった)

しかしながら、そんな緊張は最初のコードをバンドで鳴らした瞬間に吹き飛んだ。バンドが完全にグルーヴしていた。まあ、実は僕のベースプレイは良く聴いてみるとちょくちょく間違えたりへくったりしてるんだけど、ジャズでは良くあることっていうことで。ベースソロの1コーラス目とか、あっぷあっぷしてて、「もういいっす」という感じでソロをやめようと思ったらフランクが「まだまだ!」って言うので苦笑しながら2コーラス目もがんばって続けてみたり。そんな感じのソロだったけど、全体の演奏としてはとてもいい演奏だった。

唯一悔やまれることは、余裕が無くてフランクの繰り出すカッコいいコード進行(ソロの途中、本来のコード進行と少し変えて弾いていたところ)についていけなかったことだ。次に取っておこうと思う。

2009-01-16

ワインとジャズ

友達と話していてちょっと盛り上がった話。ジャズもワインも「偶然を楽しむ」アートだと思う。ワインって、同じワイン製造者でも年によって味も変わるし、ワインショップでラベルを眺めたり値札や説明文を読んだりしながら「これはおいしいかなあ」とか考えながら「偶然の出会い」を楽しむのがいい。

収穫された年の気候条件や収穫量、ワインメーカーの腕前、寝かせた年数、お店でたまたま見つけたという偶然、一緒に合わせる料理、その日の天気、一緒に飲む人たちの顔ぶれ、などの色々な条件が重なって、ワインが美味しく飲めた時はとても幸せ。フランスの有名な高級ワインなんて必ずしもいらない。「香りがいい」とか「ほどよい酸味が食事と合ってていい」とか、安いワインでも「いいところ」を楽しめるようになってくると楽しさはぐっと広がる。まあ、まだまだワインを飲み始めてそんなに経ってないので偉そうなことは言えないけど、ジャズと似ているから、「そういうものなんじゃないか」という思いが強く働いている。

ジャズの命は即興。スウィンギーなビートとか、ブルージーで感情的な表現とかももちろん魅力だけど、アドリブとインタープレイに注目して楽しめるようになるとジャズの世界は全然違う。ニューヨークの有名アーティストの演奏はもちろん素晴らしいけど、地元のジャズバーのジャムセッションで初めて会う顔ぶれが奏でる即興演奏の「空気」も面白い。そしてこの辺が楽しめるようになると、いわゆる超一流の有名アーティストが何ですごいのかも改めて分かったりすることもある。

こういうのを楽しめるようになるには、普段から気軽にワインなりジャズなりを楽しむことが必要なのかな、と思う。いつも気張ってオシャレなちょっと高いワインを買うと長続きしないし、「ものすごく美味しいというわけじゃないんだけど一瞬美味しいと思う瞬間がある」みたいなテーブルワインを普段から飲んでいると、本当に美味しいワインを飲んだ時に感動が倍になる。「それが何で美味しいのか」も分かる気がするようになる。

ジャズも、素晴らしいものからイマイチなものまで、色々な演奏を普段から気楽な気持ちで気取らずに聴いていると、だんだん「あ、今の音、気持ちいい」という瞬間が生まれてくると思う。とっつきにくいという場合には、「比較テイスティング」が有効。ワインでも、一杯だけ飲んでも「美味しいと言えば美味しいような・・」と分からなくなってしまうけど、2〜3種類のワインを飲み比べてみると「こっちのほうが好き」というのが出て来て、自分の好みが分かってくる。ジャズも、どこから聴き始めていいか分からない場合は、コンピレーションCDを3枚くらい買ってみて聴き比べてみたらいいと思う。

2009-01-15

Cantaloupe Island


(12/23/2008 Sumikaにて録音・録画)

ハービー・ハンコックの名曲「カンタロープ・アイランド」。今回のこの演奏は僕のお気に入りです。通常この曲はファンキーで勢いのある感じでバリバリやることが多いのですが、今回は静かながらもホットな感じでやりました(事前に打ち合わせたわけではなく、自然とその場でそうなっていった)。

テーマのメロディを演奏した後、キーボードのリーがアイコンタクトでドラムのケビンに「ソロ行けば?」とサインを送ります(1:35)。ケビンはニヤっと笑い返して、2コーラス使って非常にコントロールの効いた、繊細で洗練されたソロを取ります。20代とは思えない落ち着き。リーと僕はその間、ドラムを目立たせるために演奏のグルーヴをシンプルに保ちます。

リーは2:38、US3の曲「Cantaloop」に出て来る有名なフレーズを一瞬借用しながらソロを引き継ぎ、数コーラスをたっぷり使って徐々に演奏のエネルギーを積み上げていきます。全体のストーリーをこういう風にきちんとその場で作り上げていけるのが彼の素晴らしいところです。4:10から演奏のテンションはホットなゾーンに入ります。さらに4:40のあたりで超グルーヴィーな瞬間が訪れます。僕はこの瞬間がこの録音の中で一番好きで、この瞬間が作り出せたことでほとんど満足。いい演奏だった!
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Sumikaのウェブサイト:
http://sumikagrill.com/

(このビデオはブログを引っ越して来る前のサイトで一度紹介しましたが、今回英語版に載せたのに合わせてもう少し細かいコメンタリーをつけて再度紹介しました)

2009-01-14

コメント欄の設定を変更しました

まだ慣れていないもので、コメント欄の設定をちゃんとできてませんでした。
先ほど変更したので、これで名前だけとか匿名でもコメントできると思います。
よろしくお願いします。

2009-01-13

There Will Never Be Another You



こないだの土曜日はバイオリンのマーティに誘われてマウンテンビューのダウンタウンにあるカフェで久しぶりに演奏した。マーティの配慮のおかげで久しぶりに妻と一緒の演奏。この曲はライブの最後に演奏した曲で、練習があまりできなかったにも関わらずとてもいい感じの演奏になった。(ちなみにビデオの後半はテープが切れてしまったので、繰り返して適当な映像を流しています。。すみません)

まず、曲の入りが良かった。ボーカルのみでいきなり歌い始め、すかさずベースのウォーキングが始まる。そしてテーマのメロディの後半からバンド全体が加わる。リハーサル無しだったけどバシっと合って良かった!

(余談:ボーカルがスキャットソロに入る直前、バイオリンのマーティがサックスのヤロに「ソロ行きな」とジェスチャーしますが「あ、スキャット取るのか」と引っ込みます)

曲の最後のほうのボーカルとドラムの4バース交換もとてもナイス。さらに2バース交換に発展する瞬間はお客さんも「オオッ!」となった。「4バース交換が1コーラスだけでは短すぎる」と妻が判断して2コーラス目に突入したものの、途中でサウンドがマンネリ化してきたので急遽2バース交換に切り替えたのだ。エンディングのメロディに戻った時もお客さんから大きな拍手。こういう即興のドラマがジャズは面白い。エンディングもバッチリ決まった。

全体的にこの日はお客さんが本当に良く反応して下さって楽しかった。「良い観客が良い音楽を作る」とアメリカでは言われるけど、本当だな。

Alter Ego's MySpace:
http://www.myspace.com/alteregojazz

Marty's MySpace:
http://www.myspace.com/martyhonda

旧友と久しぶりに会ったら物書きになっていた

昔仕事を一緒にしてた仲間とランチしてきた。

彼は音楽ライセンスの仕事をずっとやってきていて、僕が着メロをアメリカで売る事業をやってた頃に頼りにしていた音楽ライセンス(著作権)のエキスパートだ。僕の会社が音楽事業から撤退する時に会社を移り、インディーズバンドなどがオンラインでエンドユーザーに直接楽曲を有料配信できる仕組みを作った、アメリカでも先駆的存在であるS社に転職した。その後S社はシリコンバレーで最も勢いのある音楽系ソーシャルネットワーク会社であるI社に買収され、彼もI社にそのまま移った。

しかし、当時絶好調に見えたI社も、この不況でレイオフを実行。彼もその余波で解雇されてしまった。とはいえ、彼は結構前から「もうオンラインの音楽ビジネスには先がない気がする」と言っており、いつ会社を辞めてもいいような心構えでいたらしいので、割とさばさばしている様子だった。

「で、今はどうしてるの?」と聞いたら、彼は爽やかな顔をして「この不況だからね。焦って職を探すより、本でも書こうと思ってここ数ヶ月はずっと原稿を書いてる」と言う。「こういう時代には人々の心はアートや文芸を求める。ネットの普及もあって人々に自分の創作物を伝達するのも簡単になったし、考え方によってはいい時代だよ」

そう、その点は同感だ。僕の立場で言えば、この時代にネットを使った事業を立ち上げるのはちょっとしんどい。むしろこれだけ普及したインフラを「一人の表現者」として活用することのほうがずっとワクワクする。もう自分が新しく作らなくても、GoogleもFacebookもMySpaceもYouTubeも、必要なものは何でも揃っている。それも無料で!それらの先行するビッグプレイヤー達に対抗したり差別化を狙ったりするより、思い切りそれらを使いこなして何かを表現するほうが面白い。

「こんな不景気だから、1年くらい仕事に就いてなくてもレジュメ(履歴書)は傷つかないからね。むしろ『1年間本を書いてました』とレジュメに書いたほうが受けがいいだろ?」とニヤリと笑う彼は頼もしく見えた。思えば彼は以前から文章を書くのが得意だった。ネットでも色々な記事や評論をあちこちのサイトに投稿している。うん、やっぱりそういうのが合ってるよ。

早く完成した彼の本を読んでみたい。

2009-01-12

ブログ引っ越しました

より音楽ブログにフォーカスしていこうと思ってブログをokafa.fmに引っ越しました。こちらで僕の演奏活動をビデオを通じて発信していきたいと思います。演奏内容のネタばらしや裏話などもどんどん書いていきたいと思いますのでお楽しみに。

なお、英語版を開設した時は日本語記事もそちらにあわせて書いていくつもりでいましたが(そのように古いブログのほうで書きましたが)、思い直して日本語版サイトを別途作ることにしました。がんばって管理していきたいと思います。