2009-05-28

プロの音とは

4月19日にやったコンサートの録音をミックスし始めた。1ヶ月の間を置いて聴き返してみると自分の音が客観的に聴けて良いなあ。サウンド全体は結構いい感じ。演奏した時に感じた手応えは録音に残せたと思う。

しかし、こうして良い録音状態のものを聴いてみると、物足りなさも出て来る。「アマチュアよりはうまいけど、一流のプロの音には届かない感じ」とでも言うべきか。こういうレベルの演奏は得てしてアマチュアの演奏よりもつまらないものになってしまうことがあるので危険だ。

ミックスしながら自分の音を聴いていると、「頑張り過ぎ」であることに気づく。当日ちょっと緊張していたこともあるけど、自分の中でサウンドイメージが完全には結像していないことへの若干の言い訳が、音数の多さという形に出てしまっている。しかも弾きこなせず手がもつれている。弾く音の数はこの半分で良いな。半分の音を100%の確信を持って弾く。

ここからもう一歩上に行くには、曲のサウンド全体を見渡す力をもっとつけて、普段から楽器をもっと練習して本番に余裕を持たせ、本番では「頑張る」ことをせずに、自然体で自分の持つサウンドをそのまま出すということが出来るようになる必要がある気がする。曲の盛り上がりに対してもクールさを保って感情をコントロールしたい。どうも盛り上がりに対しては「はい今、感情を爆発させてます!」という演奏になってしまうことが多い。そういう演奏は客観的に聴いてみるとすごく雑に聞こえる。僕が良く伴奏するジャズボーカルのワークショップを指導するロジャー・レトソンも良くレッスン中に言うことだ。「曲の盛り上がりをもたらすのは音量ではなく張りつめた感情」。安易にフォルテを連発して割れた音を出してはいけない。コントロールしないと。

ちょうど最近、妻の所属しているジャズコーラスグループ「Vocal Flight」がCDレコーディングをしているのだが、そこでベースを弾くマーク・ファン・ヴァーゲニンゲンの音を聴いて「プロの音だなあ」と感心したところだった。マークはかの有名なファンク・バンド「タワー・オブ・パワー」でもベースを弾いたことがあるベイエリアのプロベーシスト。僕も時々Vocal Flightでは弾くので、同じ曲をマークがどのように弾くのかはとても参考になる。

マークは、音数は少なめだが「費用対効果」の極めて高い演奏をする。それでいてタッチは多彩で、グリッサンドやダブル・ストップなどを要所要所に散りばめて「ベースらしい」音を出す。コンピュータの打ち込みでは決して出せないグルーヴだ。音数が少ないことで他の楽器にスペースを与えており、アンサンブル全体がまとまる。これに比べると、僕のベースはまだまだ「埋めよう」としてしまっている感じ。特に、空ピックのゴーストノートが多すぎて、グルーヴの自由度を奪っている。しばらくゴーストノートを引っ掛けて弾くのをやめよう。

やることは多い。

2009-05-27

Say Something (Jazz Haiku #5)



今回は90年代のアシッドジャズみたいな感じでやってみようと思って作り始めました。最初はブラスセクションがメロディを吹くイメージだったのですが、ちょっと合わなかったのでアナログシンセとローズのユニゾンという少し落ち着いた感じにまとめました。ローズだけにしたらちょっとシャカタクっぽくなってしまったので慌ててシンセを重ねたという話もあります。(追記:しばらく経ってから聴いてみたら、やっぱりアシッドジャズというよりはフュージョンという感じになってる気がしました)

こういう曲を作ってみると、80年代のフュージョンから90年代のアシッドジャズというあたりが自分のルーツなのかなあという気がしなくもないです。この辺をベースにしつつ、もうちょっとさらに新しいサウンドが作れるようになりたいかな。しかし10代の頃に一番聴いてたのはカシオペアとかですが、その辺のサウンドは意外に頭に浮かんでこない。今度やってみようかな。

2009-05-26

Birds Of A Feather (Jazz Haiku #4)



今回はスウィンギーな4ビートのグルーヴに戻って、ビッグバンドのアレンジに良くある感じのイメージで、フルートの三管ソリ(soli)みたいにしてみました。それぞれのパート(特にセカンドとサード)を個別に演奏してちゃんと吹きやすいフレーズになっているか、とかは検証してません。きっと大体平気でしょう。

なお、音符が多いため、1段が3小節になって今まで3段だった譜面が4段になっていますが、ちゃんと12小節のブルース進行になっています。譜面を細かく見るには、フルスクリーンボタン(右下から2番目)を押して下さい。

こういう譜面を作るのはハーモニーの勉強になります。しかもパソコンでサウンドが検証できるから便利な時代になりました。学生の頃は手書きのスコアで頑張ってアレンジしたものですが、もう戻れないかも。

2009-05-21

Temujin (Jazz Haiku #3)



今回はさらにアグレッシブに行ってみました。一応サイズは12小節で、コード進行のルート音の動きもブルース的ですがサウンドはもっとモダンな感じ。テンポを遅めに設定して、コードの動きで色々と遊んでみる感じと、スペースを生かした感じのバランスを取るようにしてみました。

今回の感じは結構好きだな。これならライブでもできるかな?

2009-05-17

Yokohama After Dark (Jazz Haiku #2)



「Jazz Haiku」の第2弾は都会っぽい感じのボサノバ。一応これでも12小節のブルースです。あまり形式は限定しないで気楽にやっていくつもりなので、意図的に第1弾とかなり雰囲気を変えてみました。

こういう曲はあんまり音数いらないんだなー、と勉強になりました。アイデアを練っている最初の段階では、2小節目のD-Eb-F-Dの4つの音のモチーフから発想し始めて模索していましたが、全体の音数は仕上がりの段階の倍くらいで埋まっていました。何度も聞き返して行くうちに不要な音が多いと感じて削って行き、最終的に上のような感じにまとまりました。基本的にこのプロジェクトは時間をかけずにさっさとアップロードしていく方針なので、バッキングの作り込みとかは省略。

さて、次はどんなのにしてみようかな・・。

2009-05-15

そろそろオリジナル曲を



オリジナル曲も作っているんですが、まだまだ修行中。しばらく訓練のために12小節のブルース曲を作曲していこうと思っています。まあ、他のオリジナル曲はほとんどフュージョンとかアシッドジャズっぽいものばかりで、いわゆるこういうジャズっぽい曲はあまり作らないんですが、12小節のジャズブルースって奥が深くて、勉強になるんです。

せっかくなのでプロジェクト名を付けようと思い、「Jazz Haiku」としてみました。ブルースの作曲って俳句っぽいなと思って。いや、俳句は書いた事ないんですけどね。企画倒れになる可能性も大きいですが、気長にやっていこうと思います。

当面の目的は、僕の中にある「すぐに思いつくようなメロディ」を吐き出して取っ払って、もっと深い所まで掘り下げていけるようにすることです。しばらくの間は、良くあるフレーズや聞いたことのあるフレーズもたくさん出て来るかも知れませんが、大目に見て下さい。

ということで、こちらのブログで紹介する最初のオリジナル曲はこのJazz Haikuの第一弾、「Blues In The Kitchen」です。短いです。良かったら感想などお願いします。

2009-05-10

Falling Graceをボーカルで



3月10日のSumikaライブから、ベーシストにしてコンポーザーでもあるスティーブ・スワロウの名曲、「フォーリング・グレイス」の歌詞つきバージョン。ボーカルのローラ・カーストをフィーチャーしたビデオです。元々はインストの曲で、後から誰かが歌詞を付けたものなのだと思います。24小節(前半14小節+後半10小節)というイレギュラーな構成の曲ですが、それとは感じさせずに歌いこなしてて素晴らしい。

この曲を僕が初めて演奏したのは確か大学生の時。ピアニストのビル・エヴァンスが演奏しているレコードを聴いて何となく印象に残っていたんだけど、友達のピアニストが演奏のゴトシ、もとい仕事の時にメンプ、もとい譜面を持ってきて、その美しいメロディとコード進行が好きになってしまいました。

さてここでは後半10小節の部分をイントロに使ってからローラがテーマを1コーラス歌い、キーボードソロへ。フェンダーローズのような電子ピアノの音がハマっています。2コーラスのキーボードソロの後、僕のベースソロが2コーラス。実は途中で「あれ、今どこだっけ」状態に入っていますが、何とかごまかしました。ローラがもう一度テーマを歌い、エンディングへ。この3人で演奏するのはこの日が初めてでしたが、とてもいい感じの演奏でした。

2009-05-06

スタンフォード大学でジャムセッション


毎年夏に行われるスタンフォード・ジャズ・ワークショップのスピンオフ企画みたいな感じで、2ヶ月限定で月曜ジャムセッションが行われていて、時々アキラ・ターナーやジョン・シフレットなどの有名人も出没するらしいという噂を聞いて早速昨日行って来た。場所はスタンフォード大学の構内、音楽学部近くのカフェ「CoHo」。

上の写真はステージの様子。大学内のカフェで、周りにはパソコンを広げてくつろぐスタンフォードの学生達がたくさん。ちなみに右のほうに転がっているのが僕のベース。

この日は有名人は出没しなかった&案外参加人数が少なかったけど、順番はたくさん回ってきたので5曲くらい弾けた。最初の1~2曲は結構緊張してしまったり、他のプレイヤーと呼吸が合わなくて焦った。こういうジャムでは演奏を楽しむことももちろんだけど、顔を売るという面もあるので、他のプレイヤーと呼吸が合わない中でも印象に残るようなベストの演奏をしなければならない。まあ、結果的には5曲弾けたので良かったけど、最初の2曲だけで終わってたら、印象薄かったかも。とりあえず顔は覚えてもらえたと思うので、めでたしめでたし。

来週あたり、とてもレベルが高いという噂のサンフランシスコのグラント・アンド・グリーンのジャムセッションに行ってみようかな。

2009-05-03

最近のベース関連の買い物



最近ネットで買ったものと言えば、この丸いやつ。何て呼ぶのか良く分からないんだけど、ベースのエンドピンで床を傷つけたりしないように、あるいはエンドピンが滑ってしまわないように固定するためのもの。

ベースの足の部分は、針のように(ってそこまで尖ってないけど)なってステージなどの木の床などに突き立てることができるようになっているんだけど、床がコンクリートだったりフローリングのきれいな床だったりする時はゴムのカバーを使います。しかしゴムでもきちんとホールドできない時もあり、演奏中にズルっと滑る時もあります。特に、椅子に座って弾く場合は滑る危険大。

実は最近になって椅子に座って弾くようにしています。椅子に座りながら弾くことで左手の自由度が高くなることが狙い。そこでこういう滑り止めが欲しいなあと思って探していたのですが、たまたまネットでベース専用のちゃんとした滑り止めを発見。即買いしてしまいました。効果は上々。上の写真で言うと、床に寝転がせてあるベースの足(ゴムのカバーを取り外してある状態)の尖った部分を、滑り止めの中央部分の金属製のところに当てて使います。

今までほとんどこういう道具類にはこだわってこなかったんだけど、ちょっとした違いで便利になるものだなあ、と実感中。

2009-05-02

リノのジャズフェスで優勝しました


先週の話。妻が参加している6声のジャズヴォーカルグループ、「ヴォーカル・フライト」でリノのジャズフェスティバルのコンテストに参加した。たまたまレギュラーのベースの人が出られなかったので僕もベースで代理参加することになった。

リノはシリコンバレーからは車でノンストップなら4時間の距離。カリフォルニアの州都サクラメントを通り越してネバダ州まで行ったところにある。ネバダ州と言えばラスベガスで有名だけど、リノも「リトル・ラスベガス」とでも言えるようなホテルとカジノの並ぶエリアがあって、ギャンブルをすることができる。今回はワケあってその辺は全くタッチせずにトンボ返りしてきてしまったけど。上の写真はリノの市内に着いた時の写真。ちょっとカジノの雰囲気が伝わって来る感じ。

当日は自宅を早朝に出発して、休憩しながら5時間半ほどでリノに到着。本番は午後3時頃。直前にちょっとしたリハーサルも別室でできる。この辺、大学時代に毎年夏に参加した「山野ビッグバンドジャズコンテスト」とそっくりの雰囲気で懐かしい。

ボーカリスト6人(男3+女3)は妻も含めて皆カレッジか高校の生徒。リズムセクションはセミプロみたいな感じの人を集めることが多い。今回はピアノは某リンゴマークの会社に勤めながらジャズ演奏活動をしているピアニスト、ドラマーはカレッジで音楽を教えている講師、ベースは僕、という3人だった。この3人で一緒に演奏するのは初めて。

今回の曲目は全てスタンダードっぽい感じの曲で、「Little Sunflower」「'Round Midnight」「There Will Never Be Another You」「Oh Lady Be Good」の4曲。特に全編アカペラの「There Will Never Be Another You」は良く練習できていて、サウンドチェックのためにちょっとさわりを歌ったら観客席からどよめきが。そういう手ごたえはあった。

もともとは、有名なジャズ指導者のロジャー・レトソンがシリコンバレーのデ・アンザ・カレッジで30年前に結成したグループで、毎年メンバーを入れ替えながらも、週3回のみっちりした練習とツボを押さえた指導で、このリノのコンテストでもダウンビート誌のコンテストでも何度も優勝している。去年から指導者がミシェル・ホーキンスに変わったが、その伝統は続いていて「ジャズ」をとことん追求する姿勢は変わりない。

実は先月くらいに、モントレーのジャズフェスのユース部門コンテストにヴォーカル・フライトも出ていたのだが、その時は最終審査の6校までは残ったものの、最終入賞できなかった。そんなこともあって、メンバーの多くが10代という彼らは自分たちの実力がどれくらいなのか少し自信が持てていなかったと思う。しかし僕は後ろで演奏していて「いい感じだなー」と思っていた。声はちゃんと出ていたし、スウィングしてた。

ということで、後日結果を聞いたところ、カレッジボーカル部門で見事優勝(参加校は7校)。入賞グループの中にはすごく高い演奏クオリティで有名なところもあったから、それらを抑えて1位になれたのは嬉しかったことだろう。一緒に演奏できた僕も嬉しい。妻も、ディレクターがいない自主練習の日はリーダー的役割を務めてグループをまとめるなどして日頃から頑張った成果が出たと思う。おめでとう&お疲れ様でした!

期待の14歳ボーカリスト!



3月3日のSumikaのライブから、14歳のライラ・スミスをフィーチャーしたビデオです。曲は「イースト・オブ・ザ・サン」(East of the Sun)。この日1曲目に演奏したものです。彼女は数年前から夏期ジャズキャンプなどで頭角を現して、シリコンバレー近辺のプロを含めたジャズミュージシャンの間ではちょっと有名な存在。

普段から年上のジャズシンガー達やミュージシャン達とワークショップなどで交流しているせいか、とても落ち着きがあって周辺も14歳として扱っていないような感じもあります。すでにステージ上での存在感やミュージシャンシップを確立しつつあり、曲を始める前や曲中に他のミュージシャンに対して的確な指示も出せる、本当に成長が楽しみなアーティスト。

さてこの曲ですが、ライブの1曲目ということもあって僕は終始4ビートでウォーキング。良くやるパターンとしては、「曲のテーマはこの半分のテンポ感で2ビートを刻み、ソロに入ってから4ビートのウォーキングを始める」というのがありますが、元気良く行きましょうということで最初からこうやってウォーキングをすることもあります。

ライラが曲のテーマを歌い終わると、半コーラスだけ軽くスキャットソロを取ります。その後の半コーラスはダニエルのキーボードソロ。その後テーマに戻るのかな、という空気が一瞬流れた後ライラが「ベースソロやる?」と合図したので、「んーそれじゃあやろうかな」という感じで僕がベースソロを始めます。サイズ的に最初の二人が半コーラスずつで僕が1コーラスだとバランスが悪いかなー、とか考えながら弾きつつ、まあ他に収めようもあまりないのでそのまま1コーラス弾いてしまいます。

テーマに戻って、エンディングをちゃんと決めていなかったので適当な感じでエンディングを引き伸ばした後に終了。こういうジャズ演奏では割と良くある風景です。いわゆるプロのシンガーとかなら自分用のアレンジをあらかじめ決めて譜面に書いておくことが多いのですが、1曲アレンジした譜面を作るのには結構手間がかかるので、スタジオでレコーディングするとか、大会場でコンサートをやるというような時以外は、大体こんな感じでその場のアドリブで構成を決めます。

ちなみにライラはつい最近、アメリカで最も有名なジャズ批評誌「ダウンビート」で1年に一回行われるテープ審査コンテストで中学生ボーカリスト部門で優勝しました。いよいよ全国規模の活躍が近いかな?サウスベイのジャズシーンを今後引っ張っていくアーティストの一人として期待しています。