2009-09-12

久しぶりに聞いたCDでタイムスリップ

妻とビールを飲みながら音楽の話をしているうちに大学の頃のバンド活動で使った譜面を見つけた。「これ懐かしいね」と電子ピアノで妻が弾き始めた曲は角松敏生のインストアルバムに入っていた「Sea Line」という曲。一緒に演奏したのは確か大学3年の時の学園祭の時だから、もう15年くらい前のことだ。「まだCDあったよな」と角松敏生の「Sea Is A Lady」というCDアルバムを引っぱり出して来てラジカセでかけたら昔にタイムスリップしてしまった。

このアルバムを初めて聞いたのは中学3年くらいの時だったと思う(だから大学の時に演奏したよりもさらに6年くらい前)。当時はスクエアとかカシオペアとか爆風スランプとかにハマっていた時期で、角松敏生というアーティストの名前すら知らなかった。友達が「これ聞いてみ」と言ってテープを貸してくれたのだが、一発でノックアウトされた。アルバムを通じて「夏」という一貫したテーマがあって非常に明快なメッセージが詰め込まれていて、楽曲も素晴らしく、さらに参加ミュージシャンのレベルも非常に高くて完成度の高いアルバムだった。

実はこれを聞いていた頃に一番印象に残ったのは村上ポンタさんのドラムだった。当時はバンドブームで、バンドで曲を演奏するといったら曲の構成や各楽器の演奏内容はきっちり決まっていて、それをそのまま演奏するのが普通だと思っていた。ドラムも曲毎に基本リズムパターンが決まっていて、それをきっちり決まった通りに叩くのが当たり前だと思っていた。しかしポンタさんがこのアルバムで叩くドラムはちょっと様子が違っていて、きっちり決まっているパターンのように聞こえながら、良く聞くと細かいところでは自由にパターンをくずしているのが分かった。どうやら、基本となるラフな譜面があって、それを見ながら雰囲気で適当に叩いているらしい、と僕は推測した。

いわゆる「バンド」ではなく、スタジオミュージシャンが参加して作るCDというものを初めて聞いたのがこれだったのだと思う。実を言うと最初は、「やる内容がちゃんと決まってなくてその場で適当にやるなんて、ピンと来ないな」と思っていたところもあった。それでも内容として問題があるわけじゃないし、むしろ聞き込んでいくうちに味わいとして感じられるようにさえ思えた。サックスソロとかもアドリブでやってる雰囲気だったので、いわゆる「バンド」の曲でギターソロなんかが決まった内容であるのが普通だったのに比べると新鮮だった。この辺が自分にとってのジャズや即興演奏への入り口だったのかな、と今振り返ってみると思えなくもない。

さて、久しぶりのCDを聞きながら、当時15歳の自分、そして当時27歳の角松さん、そして今36歳の自分、などをつい比較して考えて、もの想いにふけってしまった。20代の一番元気な時期に僕はベンチャービジネスとかに自分の時間を投入していたので到底同じレベルでは語れないのだけど、今また音楽に使う時間が増えた時になってみて、失った時間というのがあるなあと痛感した。でも、今この状況で自分が出来ること、すべきことを見極めて、「選択と集中」などベンチャービジネスを通じて学んだことを今の音楽活動に応用して、一歩ずつ形にしていければ、今まで自分のやってきたことを無駄にせずに成長していけるかな。

そんなことを考えながら、CDのライナーノーツや曲毎の参加ミュージシャンリストをくまなく読み、「この曲を作るにあたって角松さんはどこまで譜面に書いたのだろう」「この部分はミュージシャンのアドリブで、ミックスの時にそこを膨らませて強調したのだろうな」などと色々想像を働かせていた。昔とはちょっと聞き方が変わったけど、曲の素晴らしさに対する感動は同じだった。 

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